コーヒーの品質は環境と栽培の方法で決まります。
生産地の気候や標高、日射量や土壌などの環境によってコーヒーの育ち方も変化します。
数多くのコーヒー専門店でコーヒーを購入している方も多いと思いますが、環境の情報は美味しいコーヒーを選ぶ上で大切な情報の一つなので、どういった環境がコーヒーに適しているのかを見ていきましょう。
コーヒーが育つのに最適な環境とは何なのかを一緒に見ていこう!
作られてる環境を知ってコーヒーについて詳しくなるにゃっ!
気候と標高
コーヒー生産量の大部分を占めるアラビカ種は、低温・高すぎる温度・湿度・霜などを嫌います。
アラビカ種のコーヒーは熱帯・亜熱帯気候の標高1,000m前後の日中の平均気温が20°前後の産地で育てられています。
そのエリアの中でも1日の最高気温と最低気温の差が大きい程、良質なコーヒーが育ちます。
上記のような条件が必要となるため、内陸の標高の高いエリアがアラビカ種の名産地となっています。
アラビカ種は霜に弱いということもあり、適した温度が確保出来る標高の高さでは生育しづらいとされています。
その為、赤道から離れた産地ほど、栽培可能な標高は低くなってきます。
エチオピアでは標高2,200m前後が適地ですが、ハワイでは標高600m前後が適地とされています。
また、年間降雨量も関わってきており、1,500〜2,000mm程度必要になります。
少ない場合は灌漑施設(主に、農地に水を供給するために整備された施設。水道、ダム、あるいはスプリンクラーなど。)を用意して補う必要があります。
標高が高いことで平均気温も下がることになりますが、その分、生豆の成長をゆっくりと促し栄養を蓄えさせることが可能になります。
日射量
コーヒーの栽培には日射量が多い方が良いとされています。
しかし、直射日光は葉の表面温度を上げてしまい、光合成の能力を低下させてしまいます。
直射日光を防ぐため、多くの産地ではシェードツリー(日陰を作るための樹木)を植えています。
ハワイなどの特殊な産地では、日差しが強くなる午後の時間に雲がかかり、雨が降るという環境がありますが、そのような環境ではシェードツリーを植えていない農園もあります。
土壌の水分を大量に必要とせず、適度に陽射しを通すことができるマメ科の高木樹が、シェードツリーに適しているとされています。
土壌
良いコーヒーが育つには、有機物を多く含む火山灰土壌が良いとされています。
pH(土壌酸度)は弱酸性(pH3.0以上6.0未満)、排水性が良く、落ち葉や果実が腐食した有機物を多く含んだ堆肥となっている土壌を好むと言われています。
同じ生産国だからといっても同じようなコーヒーというわけではなく、それぞれの地域で味わいや香りが違うというのがコーヒーの面白さですね!
栽培の過程
苗
種子は蒔いて30〜50日で発芽し、発芽の適温は28〜30℃です。
最初は日陰で育てて、成長に応じて日に当てる時間を延ばし、雨や風に直接当てないようにします。
半年ほどで50cm程度に成長した苗木を畑に植え替えます。
施肥
コーヒーノキは多くの場合、収穫後の雨季に土壌に施肥を行います。
収穫期に施肥すると刺激があるため、あまり良くないとされています。
肥料は収穫して精製した際に出るパルプ(果肉)を利用して作ります。
カットバック
畑に植え替えてから、およそ3年で収穫ができるようになり、その後も手入れ次第では、7〜8年は収穫量を保つことができます。
その後、気の勢いが弱まってしまうため、カットバック(切り戻し)を行います。
カットバックとは、地上から30〜40cmくらいの高さで樹を切ることです。そうすると幹から側芽が出てきて、それが主幹となり新しく樹が育ちます。
受粉
コーヒーノキの花はオレンジのような甘い香りがします。
雨季と乾季がはっきりしている地域では、本格的な雨季に入る前の弱い雨で一斉に開花します。
ミツバチや風が花粉を運んで受粉します、アラビカ種は同じ樹の花の花粉で受粉できる”自家受粉”が可能です。
結実
最初は固くて小さい緑色をしている実が、8ヶ月ほどの時間をかけて赤く熟します。
果実がさくらんぼに似ているため、”コーヒーチェリー”と呼ばれます。
熟した実は甘く、品種により味も変化します。
収穫
コーヒーの収穫時期は、北半球で12〜4月前後、南半球で7月〜11月前後となっています。
生産国に中にはコロンビアのように年間を通して収穫できる国もあります。
生産地によって気象条件が異なっているため、世界中ではどこかしらでコーヒーが収穫されています。
機械で収穫すると、未成熟の緑色の実なども一緒に収穫してしまうことになるので、手摘みのように手間をかけるとクオリティに影響してきます。
精製
コーヒー豆と言われているものは、コーヒーノキの種子になります。
コーヒーの実を分解すると、外側から、外皮・果肉(パルプ)・内果皮(パーチメント)・銀皮(シルバースキン)・種子という構造になっています。
この実を生豆にする工程を”精製”といいます。
環境によって品質や味わい・香りも変わる!
専門店でコーヒー豆を買うときに記載されていることもあるから、興味があったら確認してみてね!
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