コーヒーの生豆を熱で煎ることを焙煎(ロースト)と呼びます。
焙煎は機械で行うことが多いですが、家庭用の小型焙煎機や手網焙煎など、様々な方法でも可能です。
焙煎の知識やコーヒー豆の焙煎度合いなどを知っておくと、自分の好みが見つけやすいから、一緒に見ていこう!
少しずつ理解を深めていくにゃっ!
焙煎度合い
焙煎とは
コーヒーが発見された当初は、生豆を煮出したりということもあったようですが、基本的にはコーヒーの生豆に苦味・甘味・香りといったものはありません。
適切に焙煎(ロースト)することで、生豆の持つ成分が化学変化して揮発性の素晴らしい香りや苦味・酸味・甘味などコーヒー独特の風味が生まれます。
コーヒーの生豆は9~12%くらいの水分を持ち、緑がかった色をしています。
↑実際の生豆
生豆を焙煎していくと、固かった豆が柔らかくなり水分が抜け出し、全体的に収縮していきます。
その後、熱により細胞内部に気泡が出来て膨張する現象をハゼと呼びます。
最初に起きるハゼを1ハゼ、その後しばらくしてもう一度起こるハゼを2ハゼと呼びます。
1ハゼはバチバチと大きめの音が鳴り、2ハゼはピチピチといった少し高めの音が鳴ります。
焙煎すると生豆から水分が抜け、色も緑から茶色に変化し、重量が約20%減少します。
焙煎の段階(焙煎の度合い)
焙煎度合いとはコーヒー豆にどれだけ熱を加えたのか、その度合いになります。
大きく分けて①浅煎り②中煎り③中深煎り④深煎りの4段階に分けられます。
細かく分類すると
①ライトロースト:酸味が強く、苦味はほとんど感じない。
②シナモンロースト:香りが出てくる、酸味が強い度合い。
③ミディアムロースト:香りが立ち、若干だが苦味が出てくる。
④ハイロースト:苦味と甘味が増し、バランスの取れた味の傾向。
⑤シティロースト:酸味が抑えられ、甘味やコクが目立つ。
⑥フルシティロースト:深煎りの風味が味わえる。日本では多め。
⑦フレンチロースト:苦味やコクを楽しむ度合い。ミルクと合わせることも。
⑧イタリアンロースト:苦味が強く、焦げているように見える。アイスコーヒー向け。
上記8つに分類されます。
浅煎り | ①ライトロースト |
---|---|
〃 | ②シナモンロースト |
中煎り | ③ミディアムロースト |
〃 | ④ハイロースト |
中深煎り | ⑤シティロースト |
〃 | ⑥フルシティロースト |
深煎り | ⑦フレンチロースト |
〃 | ⑧イタリアンロースト |
表の上から下に行くほど、酸味が弱くなり、苦味が強くなります。
一般的にはこのような名称で表記されますが、明確な基準はないため、同じ度合いを示す表記があっても、販売しているお店によって煎り具合が違っていることも多いです。
焙煎方法
焙煎機の多くはドラムに生豆を投入し、回転するドラムに熱を伝えることで焙煎します。
一般的な業務用焙煎機は、直火式・半熱風式・熱風式の3種類に分けられます。
直火型焙煎機
ドラム表面に複数の穴が開いていて(パンチングドラム)、そのドラムにバーナーの火が当たるため、穴から熱が入る構造となっています。
構造上、大量の豆に熱が均一に当たるようにするのは難しく、熱のムラが出来るので、基本的には小型の釜で使われることが多いです。
温度の調節などが難しいですが、使いこなせれば個性のあるコーヒーが出来上がります。
半熱風式焙煎機
直火式と構造は似ていますが、ドラムに穴がなく、ドラムに当たる火とファンによる熱風がドラムを通過して豆に当たり排出する構造となっています。
直接火が当たることがないため、味がぶれる事なく調整もしやすいです。
バランスの良い味が出来やすいので、自家焙煎店などでもよく使われています。
熱風式焙煎機
一般的にはバーナーがドラムに対して水平についており、ドラムに直接火が当たりません。
熱を奪われていない熱い空気がそのままドラムの中を通過するため、熱効率が高く焙煎時間が短くなります。
ドラム内の温度調節が正確に行えるため、豆の量が多くても焙煎が可能になります。
大手メーカーなどが使用していることが多く、阻害要因が少ないため、同じ味を作りやすいです。
焙煎後のコーヒー豆の保存について
コーヒーは様々な成分・要素が絡み合っている飲み物です。
コーヒーの風味を保つために、いかに劣化させないかということが重要です。
温度変化や紫外線、日光にも弱いコーヒー豆は焙煎後にすぐ劣化が始まりますので、密封した容器に入れて冷蔵庫・冷凍庫など温度の低いところで保存することが望ましいです。
またコーヒーの香りは揮発性が高く、挽いた瞬間に香りの大部分は失われます。
そのためコーヒー豆は抽出する直前に挽くことが大事になってきます。
焙煎した日が分からないと鮮度の管理が出来ないため、焙煎を行なった際は焙煎日の記載を行なっておくことが重要です。
また、専門店でコーヒーを買う際は焙煎日の記載があるところが多いので、チェックしてみましょう。
購入した際にその場で焙煎してくれるお店もあるようです。
焙煎は練習すれば家庭でも簡単に出来る
自分で作ったコーヒー豆には愛着も出るから、より一層コーヒーを楽しみたい人はやってみることがオススメ!
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