コーヒー知識

適正抽出と収率・TDS|数値でコーヒーの理解度を深める

お家でハンドドリップを行う上で、自分の淹れたコーヒーが正しく抽出出来ているんだろうか?という疑問を持ったことがある人は多いと思います。

ハンドドリップ(ペーパードリップ)での抽出で一番重要なことは、コーヒーの成分を最大限に引き出すことが出来ているかどうか。

焙煎したコーヒー豆の個性を活かせる抽出が出来るかどうかは、ドリップの技術も勿論ですが、理論的に抽出を理解ことで格段に変わってきます。

今回は適正な抽出とそれに関わる数値、収率とTDSという数値について解説していきます。

今回は適正な抽出が出来ているかどうかが数値で分かる、収率とTDSについて解説していくね。

難しそうな単語だけど、理解するとコーヒーの楽しみ方が増えるよ!

コヒ猫
コヒ猫
難しいの苦手だにゃー。

けど理解したら面白いなら頑張るにゃ!

この記事で分かること

・適正な抽出と過抽出・未抽出

・適正な抽出の指標、収率とTDS

・収率の計算方法

適正な抽出とは何か

コーヒーの抽出は、”適正抽出”・”未抽出”・”過抽出”の3つに分けることが出来ます。

それぞれについて見ていきます。

適正抽出

コーヒーから適切な量の成分を抽出出来た場合を”適正抽出”と言い、酸味・苦味のバランスが良い味わいで、甘みも感じられます。

一番望ましい抽出であり、飲んだ後の余韻が心地よく残るため、抽出の完成度は高めです。

未抽出

コーヒーから成分が引き出し切れておらず、酸味が強く、甘さや苦味が足りない味わいになることを”未抽出”と言います。

強めに出る酸味は心地良い酸味ではなく、酸っぱいという表現になる酸味なので、後味も続くことがありません。

未抽出の改善ポイント

コーヒー粉の粒度やコーヒー豆の量、湯温などを調整することで改善可能。

・コーヒー粉の粒度が粗過ぎる。

・コーヒー豆の量が少な過ぎる。

・湯温が低過ぎる。

などが成分が引き出し切れない要因なので、一つずつ調整していきましょう。

過抽出

コーヒーの成分を過剰に抽出してしまった抽出を”過抽出”と言います。

過抽出のコーヒーは苦味が際立ち、渋み・雑味も感じられる味わいになってしまいます。

過抽出の改善ポイント

コーヒー粉の粒度、湯温を調整することで改善可能。

・粉の粒度が細か過ぎる。

・湯温が高過ぎる。

などが成分が出過ぎる要因になります。

湯温は80°〜90°ぐらいに調整するのがオススメ、沸かしたてのお湯(100°)をそのまま使うのは避けましょう。

湯温を調整する場合は、温度調整が出来る電気ケトルの使用がオススメです。

以前紹介した、山善の電気ケトルはコスパが良くてオススメ。

抽出を評価する二つの指標

抽出を評価する数値として”収率”と”TDS”というものがあります。

収率

収率(Extraction Solids)はコーヒー豆に含まれている成分をどれだけ抽出出来たかということを表す数値のこと。

収率は18〜22%が適正抽出とされており、上限は30%程でそれ以上になることはありません。

この22%を超えてしまうと”過抽出”、18%を下回ると”未抽出”とされています。

 

TDS

TDS(Total Dissolved Solids)はコーヒー液の濃度を表します。

適正抽出のTDSは、ペーパードリップで1.15%~1.35%エスプレッソで7.5%~10.0%とされています。

TDSは機械で測ることが可能で、最近はアプリと連動しているものもあります。

コーヒーマニアの人は一つ持っておくと、自分の飲んでいるコーヒーがどれぐらいの濃度の物なのかがすぐ分かります。

コーヒーの濃度はペーパードリップで約1%なので、残り99%は水

水道水や軟水・硬水、ミネラルウォーターの種類などでコーヒーの味わいが変わるということがよく言われますが、数値で見てみると、水で味わいが変わるのは納得ですね。

 

収率の計算方法

収率は以下の計算式で求めることが出来ます。

収率=TDS×コーヒー液の重量÷コーヒー粉の重量

簡単な例を紹介しておきます。

収率の計算例

粉の量15gに対してお湯を230g使用し、200g落とすというレシピ

このレシピでのTDSが1.2%だった場合、

粉の量:15g コーヒー液:200g TDS:1.2%

1.2×200÷15=16%

上記の例では収率が16%なので、適正抽出の収率である18~22%に届いていません。

この場合は、成分をもう少し引き出してあげないといけないので、

・湯温を上げる

・コーヒー粉の量を減らす

・コーヒー粉の粒度を細かくする

・抽出時間を長くする

などの調整方法があります。

逆に収率を抑えたい場合は、上記と逆のことをしてあげればOKです。

収率・TDSは豆の焙煎度合いによっても異なり、深煎りは細胞壁が柔らかいため、成分が抽出しやすくなります。

逆に浅煎りは細胞壁が硬いため、成分が出にくくなっています。

同じレシピを使用しても、浅煎り・深煎りでは収率やTDSは違う数値が出るので、豆の種類に応じたレシピを見つけましょう。

 

収率とTDSを理解しておくことでコーヒーの楽しみ方が増える

収率とTDSはあくまで数値上の話だから、適正抽出の数値が出たとしても、人によっては好みが分かれるよ。

あくまで目安なので、数値にと捉われ過ぎず、自分の味覚や嗅覚と併せて美味しいコーヒーを作れるように楽しんでドリップしよう!

コヒ猫
コヒ猫
コーヒーって改めて難しいと思ったにゃ。

けど収率とTDSを知っておくだけでも、ドリップに役立ちそうだから、覚えるにゃ!

筆者が運営する”自家焙煎珈琲 caffines”は下記URLからご利用頂けます。

https://caffines.base.shop

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caffines管理人
自家焙煎珈琲  caffinesを運営中。 自家焙煎したコーヒー豆で作成したドリップバッグを中心に販売しています。 自家焙煎・ハンドドリップを楽しむ珈琲愛好家です。 コーヒーコーディネーター 取得 食品衛生管理者 取得