コーヒーには数多くの品種があります。
コーヒーノキ(コーヒーの実がなる木)はアカネ科コーヒーノキ属に属する植物の総称を言います。
コーヒーノキ属は多くの品種があり、飲料用に生産されているものもあります。
飲用されるものとしての代表はアラビカ種とロブスタ種ですが、これらが変化した品種も存在します。
新しく発見されたものや交配によって改良されたものも出てきています。
今回はその品種について、見ていきたいと思います。
アラビカ種とロブスタ種
アラビカ種
エチオピア原産で、アラビア半島南部のイエメンで最初に広がったところから”アラビカ”という名前が付きました。
病害虫や霜、雨などに弱く栽培は難しいですが、風味とコクが優れています。
コーヒー生産の多くを占めています。
ロブスタ種
病害虫に強く、高温多湿の気候に適応することから”強靭”を意味する”Robust”からロブスタ種という名前が付いています。
成長が速く、収穫が多いという栽培のしやすいのが特徴です。
主に東南アジアとアフリカの一部で栽培されており、ベトナムでの栽培も増加しています。
インスタントコーヒーなどにも用いられています。
アラビカ種の品種・改良品種
アラビカ種が世界に広がっていく間に、交配や突然変異により、様々な品種が誕生しました。
ロブスタ種と交配させた品種もあるので、紹介していきます。
ティピカ
ティピカとはスペイン語で典型的・標準型という意味があり、元々はイエメンで栽培されていた品種でした。
豆はやや細長く、香りが強くて上品な酸味と甘味を持っています。
収穫量が比較的少なく、病害虫に弱いというのも特徴です。
中米ではアラビコと呼ばれることもあるそうです。
ブルボン
イエメンからブルボン島に移入されて突然変異した品種です。
豆の形は丸みがあり、甘味や濃厚なコクが特徴です。
カトゥーラ
ブルボンの突然変異種で矮性品種(標準の大きさに成長せず、小型のまま成熟する性質)です。
中米を中心に栽培されており、収穫量が多く、大量生産用の改良品種というイメージがあったようです。
しかし、農園が生産過程でしっかりと手をかけることで、コンテストで入賞するポテンシャルのある品種となります。
カトゥーラはブラジルで発見され、収穫量が多いのに樹高が低いため、収穫がしやすい木とされています。
スマトラ
”クラシックスマトラ”=インドネシア西部のスマトラに残されたアラビカ種
”スマトラ”=ブラジルでコーヒーが栽培されるようになったあとにスマトラから流入したブラジル産品種
クラシックスマトラは北スマトラのトバ湖付付近に古いティピカ系の品種として数種類残っています。
ムンドノーボ
スマトラとブルボンという2大品種を掛け合わせて、ブラジルで作成された品種です。
生産力は高いですが、背が高く収穫性が悪いです。
カトゥアイ
カトゥーラのブラジルでの生産性の悪さを解決するために作られた、ムンドノーボとかトゥーラを掛け合わせた品種です。
1972年に正式に発表されました。
バカス
エルサルバドルで発見された矮性品種です。
前述したカトゥーラと同じ遺伝子特性を持つことから、ブラジル→エルサルバドルへ持ち出され栽培されたものではないかと言われています。
マラゴジーペ
ブラジルのバイア州マラゴジペ地区で発見されたのが由来の品種です。
ティピカの突然変異種で、スクリーンサイズ(生豆の大きさ)が極めて大きいのが特徴です。
パカマラ
パカスとマラゴジーペを交配したもので両品種の名前をとってパカマラという名前がつきました。
普通種の実に比べてパカマラの実は大きいものになっています。
ゲイシャ
エチオピアのゲイシャという街の近くで発見された木を起源とする品種です。
中米のパナマやグアテマラ、アフリカのマラウイやケニアで栽培されています。
個性のある香りとフルーティーと評される風味を持ったコーヒーです。
コーヒーの生豆の特定の品種だけを小分けにして出荷する問屋や農園も多いです。
色んな品種のコーヒーを飲んでみることで、品種による味わいや香りの違いを感じることができます。
また、豆の段階で豆の大きさや香りの違いが出るので、比較してみるととても面白いです。
品種による味わい・香りの違いを楽しもう!
コーヒーの専門店になると品種がパッケージに明記されていることも多いから、いろんな品種を試してみてね!
いっぱい飲んでみて自分の好みのコーヒーを探し続けるにゃっ!
筆者が運営する”自家焙煎珈琲 caffines”は下記URLからご利用頂けます。