スペシャルティコーヒーというものをご存知でしょうか?
コーヒーを専門店で購入したことがある方や、実際に家庭で日常的にコーヒーをハンドドリップなどで楽しんでいる方は、一度は聞いたことがあると思います。
高品質な豆を使った特別なコーヒーという印象を持っている方も多いと思いますが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
コーヒーの味にこだわる方には大切な知識であり、スペシャルティコーヒーについて知ることで、より一層コーヒーを楽しむことが出来ます。
今では比較的耳にすることが多くなったけど、それがどういったものなのかをしっかり学んでいこう!
美味しいコーヒーを飲むためにも知識を仕入れるにゃっ!
スペシャルティコーヒーついて
発祥
1978年、米国のエルナ・クヌッセン女史がフランスのコーヒー国際会議において、
”特別な地理的微小気候条件がもたらす、特徴的な風味特性を持った新しいカテゴリーのコーヒー”に対して、スペシャルティコーヒーという名称を用いて、その存在を提唱しました。
SCAA
アメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA)は世界最大のコーヒー取引業団体で、1982年に設立されました。
栽培やロースト、抽出の規格を制定しており、コーヒーの専門家集団が高品質なコーヒーの規格を一定にするために結成されました。
年に一回行われるカンファレンスには、世界中のコーヒー関係者が訪れ、コーヒー関連の最新の情報を収集する機会となっています。
そこでコーヒーのおいしさ、風味の素晴らしさなどを客観的に評価して、品質の明確化を図るため、1990年代に”カッピング”という評価方法が登場しました。
カッピングの方法
SCAAの厳密な定義に則ったコーヒー豆のサンプルを1種類あたり5カップ用意します。
全部で10項目(フレグランス・フレーバー・アフターテイスト・酸味・ボディ・バランス・安定性・クリーンさ・甘み・総合評価)の評価項目を各10点、合計100点で採点します。
複数のカッピングジャッジがSCAAのカッピングシートに従って採点し、その平均点が80点を超えるものがスペシャルティコーヒーとして認定されます。
この評価方式が業界内に普及していくにつれ、スペシャルティコーヒーは”際立つ風味特性”・”際立つおいしさ”を持つコーヒーとの認識が生まれるようになりました。
定義
スペシャルティコーヒーは日本スペシャルティコーヒー協会によって。以下のように定義されています。(一部を抜粋しています。)
生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。
そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。
さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会(SCAspecialty-coffeeJ) HPより引用
日本におけるスペシャルティコーヒーは、ここ数年で認知度が上がっています。
スペシャルティコーヒーは大手メーカーなどでは少なく、マイクロロースターほど使用しています。
スペシャリティコーヒーの要件
スペシャリティコーヒーの標語の一つとして”From seed to cup”という言葉があります。
コーヒーの栽培(生産)からカップに至るまでの全てのプロセスのことで、この全てを持ってスペシャルティコーヒーが形成されるという考え方です。
その前提となるのがトレイサビリティであり、次にサスナビリティ・インフォメーション・クオリティの3要素が重要とされています。
トレイサビリティ
トレイサビリティとは”trace(追跡)”と”ability(可能)”を組み合わせた言葉で”追跡可能”という意味です。
商品や農産物がどこでどのように生産されたか、どんな流通経路を通ったかを遡って調査できることです。
コーヒーでは農園の環境や栽培状況、肥料や農薬の種類や使用状況の公開が求められており、こうした情報公開が認証コーヒーの登場に繋がりました。
コーヒーがどのような土地で作られ、どのように生産管理され、どのような家庭を経て出荷されたかが分からない場合、他の食物と同じように安心安全という観点から不明確なのはもちろん、味の評価も不可能です。
トレイサビリティはスペシャルティコーヒーの評価の出発点となります。
サスティナビリティ
サスティナビリティとは”持続可能性”のことです。
サスティナブルコーヒーはスペシャルティコーヒーの中でも持続可能性のある方法で栽培されたことを認証されたコーヒーのことです。
”有機無農薬”のオーガニックコーヒー、”公正な交易”のフェアトレードコーヒー、”環境保護”のシェードツリーコーヒーなど、それぞれの理念に応じた基準によって認証されています。
オーガニックコーヒー:土壌を保全し、化学薬品の使用を禁じた手法で生産されていること。
フェアトレードコーヒー:最低販売価格が保証された小農家が集まった農協を通じて供給されていること。
シェードツリーコーヒー:森林で覆われた土地で、多様な生態系の保全や渡鳥の保護に配慮して生産されていること。
インフォメーション
インフォメーションとは、そのコーヒーに関する情報のことです。
そのコーヒーがサスティナビリティが行える環境にあるか、なおかつハイクオリティでありトレイサビリティがはっきりしているか、そのコーヒーが正しい取引をされているかなど、透明性の高い情報があることが大切で、一杯のカップのコーヒーのおいしさが正しく伝わるかどうかが重要です。
それぞれの個性を持ったスペシャリティコーヒーを楽しもう
その風味特性の違いがそのコーヒーの個性で、それぞれが全く異なる個性を持つから、どれが一番いいのかという評価は難しいけど、その個性を楽しむコーヒーがまさにスペシャルティコーヒーということだね!
色んな国のスペシャルティコーヒーを楽しむにゃっ!
筆者が運営する”自家焙煎珈琲 caffines”は下記URLからご利用頂けます。